○エアープランツとは?
エアープランツとはアナナス科チランジア属の植物の俗称で原産地では樹木や岩石または電柱、電線などに着生する着生植物です。
その姿からエアープランツと呼ばれるようになったようです。
園芸家としてはチランジアと呼びたいところです…
○間違った認識
チランジアが日本に導入され販売され始めた当時「エアープランツは空気中の水分を吸うから水やり不要」だとか
ガラスの容器に閉じ込めて「インテリアプランツでおしゃれ」などの扱われ方をしました。
実際はどうでしょうか?
チランジアは想像以上にお水が大好きです。
そして栽培の肝になるのは風通しです。
例えばタンクタイプのチランジアは茎にお水を貯める姿をしているくらいです。
しかし体に水分が着いたままの状態で直射日光に当たったり高温多湿の環境になったり逆に低温に当たったりすると
チランジアは弱ってしまいます。つまり適度な水分を取りながらも余分な水分をとばしてくれる通気が必須です。
○チランジアの育て方
☆置き場所
日当りと風通しの良い場所で育てましょう。
ただし直射日光は避けたほうがいいです。
最低気温10℃を目安に屋外で管理するのがベストです。
具体的には最低気温が10℃を超える春から10℃を下回る秋までとなります。
風通しの良い屋外であれば雨ざらしでも構いません。真夏の高温期だけは注意してください。
室内で育てる場合はエアコンの風が直接当たるのは避けて日当り・風通しを確保してください。
風通しが期待できない環境ではサーキュレーターなどを使用してください。
また冬の窓辺は冷え込むので注意が必要です。
☆水やり
チランジアの水やりは春と秋の成長期は屋外などで風通しさえ良ければ毎日あげてもかまいません。
逆に室内ではミスティングと呼ばれる霧吹きを使った方法で与えるのを基本とし植物が完全に乾くのを確認して
与えてください。チランジア栽培で怖いのは『蒸れ』です。バケツなどを使ってドブ漬けするソーキングと呼ばれる
方法はしっかり植物を乾かせる事ができる方にはおすすめです。(月1,2回程度)
水を与える時間帯は夕方〜日没に行ってください。チランジアはCAM型光合成を行うCAM植物です。
少し難しい話になってしまいますが砂漠や樹上など厳しい環境で育つ植物に多いです。サボテンや多肉植物など。
詳しい話はこちらから。
とにかく水やりの時間は夕方から日没までの間に行ってください。ただし真冬は気温が下がる前にあげてください。
成長期ではない冬は水やりも控えてください。ただしマンションや温室などある程度の気温が見込める場合はそれなりにミスティングして
あげましょう。
☆銀葉種と緑葉種
チランジアはその形態により大きく二つに分類されます。それぞれ原産地や生育環境が違うので注意しましょう。
銀葉種の代表?テクトラムです。
銀葉種の特徴はトリコームと呼ばれる白い毛で覆われた体です。砂漠や乾燥地帯が主な原産地でトリコームにより
直射日光を避け少ない水分を取込みます。よって水やりは控えめに。ソーキングすると美しいトリコームも取れてしまいます。
栽培環境は原産地の環境を考慮して作ってあげると良いかと思います。
緑葉種は反対に中南米の熱帯雨林や湿潤な森林地帯が主な原産地です。湿度も高く直射日光も当たらないため
トリコームはありません。水分は銀葉種よりも多めに与えてください。
熱帯や森林とは言え風は良く通る環境ですのでやっぱり風通しは重要です。
☆肥料
普通の草花のように元肥や追肥が必要な植物では基本ありませんので必ず肥料を与えないと育たないわけではありません。
ただし生育環境が良いときに施肥してあげるとよりいっそう生育がよくなります。
間違っても状態の悪い時に施肥してはいけません!これはどの植物にも言えることですが。
人間だって風や病気で弱ってる時にご飯がたくさん食べれないのと一緒です。
ではチランジアの生育が悪い時は? まずは環境を変えてあげることです。風通しと日当りをよりよい
環境にしてあげてください。水やりが少なすぎないか?多すぎないか?も重要です。
メネデールなどの活力剤も光合成を助ける鉄分が主体なので効果は期待できます。
そして与える肥料ですがハイポネックス原液を規定より薄い1500〜2000倍にして与えてください。
肥料は生育期のみ状態の良い株だけに数週間に1回程度で十分と言えます。
☆栽培方法
インテリアプランツとして人気の高まったチランジアはいろいろな容器や飾り方で雑貨屋さんなどでも
販売されていますができれば着生栽培をおすすめしたいと思います。
風の当たらないガラス瓶の中などもってのほかです。
ヘゴ板や大きめのバーク、コルク材などに着生させ根を張らせることができれば大成功です!
着生植物としての本来の成長が見込めると思います。
しかしまったく逆にインテリア性の高い栽培がまったく出来ないかというとそうでもありません。
通気性と日当りさえ確保できれば栽培する事は可能ですので籠やお皿、プランツハンガーなどもおすすめです。
これこそがチランジアの楽しさ!ですからね。
☆チランジアの開花とその後
多くのチランジアはとても美しい花を咲かせます。しかし他の植物同様その目的は子孫を残すことです。
残念ながら人間のために咲いてくれるわけではありません。もうひとつ残念な事は開花した株はその使命を
果たし世代交代します。この場合枯れるという言葉は適当ではありません。自然の摂理です。
残念とは言いましたが開花後すぐに消えてなくなってしまうわけではないので安心してください。
開花した株を良く見ると子株を見つけることができると思います。(すぐでない種類もあります)
子株は適当な大きさになるまで親株からは離さないほうが無難です。開花した花はある程度咲き終わってから
切ってあげてください。終わった花を付けっぱなしにするのは見た目も悪く余分なエネルギーを消費します。
イオナンタや写真のコットンキャンディーなどは見事なクランプ(群衆)を作ってくれることもあります。
これもチランジア栽培の醍醐味のひとつです。



